マスターしよう基礎操作
電極法による分析器 I—ベックマングルコースアナライザー2 富士グルコースメーター(グルコ・20)
高原 喜八郎
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.321-328
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202040
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体液成分を定量する方法は文字どおり日進月歩の道を歩んでおり,特に臨床検査の分野では同一方法が数年以上にわたって標準法の地位を占めていることは一般に珍しい.血糖を例にとってみれば理解されるように,手技的には滴定法→比色法及び電極法へと変遷してきたが,原理的には還元法→縮合法→酵素法(液体酵素及び固定化酵素)といった歴史を歩んできた.これらに加えて検体の出され方のモードにも,特殊研究検査,日常検査,緊急検査の三者が区別されており,この三者に上記の原理別方法がいろいろと組み合わさって各種の自動分析機やアナライザーが誕生し市販されている.特に緊急検査項目としてのナトリウム(Na),カリウム(K)などの電解質,血糖,尿素窒素などは採血後数分以内に成績を知る必要性が強いために,電極をセンサーとする独特なアナライザーが開発され急速に普及しつつある.ここではそれらのうちから血糖とNa,Kの測定専用機の代表的な機種を例にとって,センサーである電極の理解を目的として取り扱い操作ならびにメンテナンスなどについて今回と次号の2回にわたって解説する.
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