測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
内部標準法
片山 善章
1
1愛媛大学病院中央検査部
pp.460-464
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201852
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臨床化学領域における比色定量分析では,試料(検体)中成分の測定値を得るには標準物質のそれと対比することによって求あるのが一般的である.すなわち測定すべき成分と同一の標準物質を同一測定条件の下で測定を行い検量線などを作成して測定値を得る方式である.
一方,あらかじめ試料目的成分とは異なった一定量の物質(これを内部標準物質と言う)を加えて,定量に当たって目的成分の発する分析信号を直接測定せず,内部標準物質の信号との比をとって,これを目的成分の濃度に対応する信号として扱って分析を行う内部標準法がある.この方法は測定中に受ける各種の不規則な変化をできる限り除去するために用いられ,機器による定量分析における精度を向上させるための手段として,現在,各種の分析,例えば赤外線吸収法,核磁気共鳴吸収法,炎光分析法,原子吸光分析法,ガスクロマトグラフィーなど広く用いられている.
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