文豪と死
田山花袋
長谷川 泉
1
1医学書院
pp.584
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201663
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田山花袋(1871〜1930)は群馬県邑楽郡館林町に生まれた.日本の自然主義文学は,フランスのエミール・ゾラの影響を受けて発展した.それが前期自然主義と言われる文学の流れである.そして本格的な日本的自然主義は島崎藤村の「破戒」(明治39)と田山花袋の「蒲団」(明治40)をもって成立した.
花袋は前期自然主義の時代には,ゾラのほかフローベルやモーパッサンやトルストイらの影響を受けた.「重右衛門の最後」という作品が有名である.抒情詩を書き,ロマンティックな傾向を持っていた若い頃からみると,しだいに客観的な描写になり「蒲団」では女弟子に対する赤裸々な官能を描いて文壇を驚かせた.
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