測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
溶液の色とpH(イオン定数の理解)
中山 年正
1
1虎の門病院生化学科
pp.893-896
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201510
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溶液の吸光光度分析,すなわち溶液の呈色強度を分光光度計のような光電光度計を用いて比色測定する分析手法は,言うまでもなく臨床化学分析の中で最も重要な分析手段である.目的成分を発色物質に誘導するには,それぞれの成分に特有な化学反応,例えば酸化還元,縮合,錯体形成などの化学反応が使われる.本小編で問題としようとするのは,このような発色物質の合成反応でなく,反応で生成した発色物質そのものの性質である.
臨床化学分析に多用される発色反応は大部分著しく極性の高いH2Oの中での反応であり,生成した発色物質もH2Oに易溶な,いわゆるイオン性の発色物質が大半である.そこで,イオン化と発色の関係を概観してみようとするものである.
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