基礎から応用へ
溶液の分離・2
三上 智久
1
1北大応用電気研究所
pp.20-23
発行日 1974年9月1日
Published Date 1974/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200556
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湯のみにお茶をついでもきゅうすからお茶の葉は出てこない.これはまことに簡単な理屈で,きゅうすの出口にお茶の葉よりも小さな孔がたくさんあって,お茶の葉がそこで止められるためである.大げさに言えばきゅうすも濾過装置であるが,濾過とは混じり合った物質を,大きさの違いを利用して分離しようとする方法のひとつである.主として液体と固体が混合している場合に用いられるが,液体や固体の状態に応じていくつかの方法が考えられている.
きゅうすの例に見られるように,濾過は最も簡単な溶液の分離法と言えるが,より物理的にながめてみるといろいろな原理が施用されていることがわかる.
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