検査の苦労ばなし
中年老いやすく学なり難し
井川 幸雄
1
1慈恵医大中検部
pp.706-707
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201457
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お化粧にみる精度管理
生理学教室でスポーツ生理など人体生理学の領域で仕事をしていた当時から,中央検査部の基礎代謝室を担当していたが,大学の人事で中央検査部の仕事に専念,全体をマネージするようになったのは1967年のことであった.1957年には慈恵にも中検制度が発足していて,先輩の諸教授のご指導で順調に発展していたし,日大,順大,昭和大などでは講座をもった諸先輩の立派な中検があるので,お手本には事欠かないわけである.
こんなことで,あまり深刻にものを考えずに専任のポストを引き受けたというのが本当のところであった.同僚などは更に無責任で,"あそこには器械もたくさんあるし,試薬も使い放題だし,それに若い女性が多いからなあ,それだけ大変だろうけどね"と良いような悪いような激励をしてくれた.どちらにせよ厖大な組織でもあり,2年くらいはただ黙って様子をみるつもりであった.来てみて最初に感じたのは,にれは研究室ではなくて工場だということであった.生産性をあげ,不良品を出さないようにするために品質管理(精度管理)が必要で,x-R管理図などを目の前に貼り付けて日常業務に励んでいるわけである.
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