技術講座 病理
組織標本の作り方・4—一般染色
山本 悦子
1
1国立病院医療センター臨床検査科
pp.675-677
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201448
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組織標本を作るには固定,包埋,薄切及び染色のどの行程が失敗しても決してよい標本とならない.特に固定と包埋が失敗したらやり直しができないばかりでなく,染色に大きな影響を与えるのでよい固定液を選ばなければならないのと,パラフィンを十分に入れて包埋を確実にするにとが大切である.きれいな染色標本を作るには上記の全行程がうまくいった時に初めて可能となる.
従来の10倍ホルマリンで固定した時は,ホルマリン色素がついてその除去に繁雑さがあるが,milloningの緩衝ホルマリンで固定するとホルマリン色素はつかず,また染色性もよく保たれ比較的安価である.作り方は検査と技術,4(11),21,固定の理論を参照されたい.
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