技術講座 血液
フィブリノゲンの定量
相賀 静子
1
1国立病院医療センター臨床検査科
pp.672-674
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201447
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フィブリノゲンは血液成分のひとつタンパク質に属し,凝固系では第I因子と呼ばれるもので,トロンビンの作用によりフィブリンとなり,止血に関係する最も大切な物質である.分子量は約340,000,Cohnのエタノール分画ではI-2に属し,血中には200〜400mg/100ml含まれている.循環血液中での半減期は4〜5日である.熱には不安定なタンパク質で,56℃の加熱によって変性する性質を持っている.
フィブリノゲンの定量を必要とするのは,血中にどのくらいあるかを測定して,その測定量からフィブリノゲンに関係する凝固系の因子,すなわち第Ⅷ因子,第ⅩⅢ因子,線溶系に関係する物質,すなわちプラスミノゲン,プラスミンを合わせて考えるうえで大切な検査である.
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