技術講座 生理
血液ガス分析
松本 佶也
1
1東大病院中検
pp.678-682
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201449
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臨床検査の自動化は電子技術の進歩に伴い各領域で普及しつつある.それに伴い日常検査の作業行程が簡易化されつつあるが,一方精度管理技術も向上し,確度の高いデータが得られるようになった.しかし,その反面用手法や多くの処理行程を経て分析測定するといった,人為的な微調整技術とも言える妙味ある側面が失われてきた.つまり機械装置を含めた検査技術が画一化し単調なものとなり,我々はMeasurement techniqueではなく,自動分析装置のOperation teclmiqueのみの日常になる可能性がある.
ここでにの問題を論ずることが本旨ではないが,血液ガスの分析測定もにうした傾向から外れるものではない.最近の電極法による血液ガス分折では,検体は微量で,校正は緩衝液を内蔵して自動的に行われ,測定と計算値も自動補正などの演算回路の組み込みによって即時にプリントアウトされる.装置や測定上のトラブルには警報信号が発せられるといった自動化装置*が市販使用されている.これは血液ガスの臨床的意義の解明と測定技術の開発が今世紀に入ってからの出発であり,多くの研究者の努力の累積とともに,測定の技術的煩雑さが多くの比重を占めていたこととを考え合わせると長足の進歩と言える.
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