特集 必修 日常検査の実技
病理
術中迅速組織標本の作り方
中川 定明
1
,
田辺 瑞慧
2
,
次富 久之
2
,
畠 栄
2
,
高橋 保
2
,
古川 町子
2
1川崎医大・人体病理
2川崎医大病院病理部
pp.88-91
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200851
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近年,術中迅速組織診断に対する外科側の要望は非常に厳しいものになってきた.10年前ならば,凍結標本(炭酸ガス凍結,ザルトリウス型ミクロトームによる切片)は,薄い切片が切れず組織がバラバラになるので,炎症か腫瘍か,良性か悪性かの程度に分かればよいといった病理側,外科側双方の妥協があったが,クリオスタットが導入されて良好な標本が作れることになったので,永久標本による診断に近い正確さが要求されるようになってきたのである.しかし,クリオスタットさえ備えればだれにでも良好な標本が作れるというものでもない.それにはかなり高度な技術が必要である.そこで,以下私どもの大学でこれまで検討してきた技術を述べたい.いうまでもなく,器種の違いによって若干の差異もあろうから,本稿を参考にされて各機関で独自の技術を打ち出していただきたい.
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