検査の昔ばなし
その"こころ"は変わらず
操 坦道
1,2
1国家公務員共済組合連合会浜の町病院
2九大・内科
pp.466-468
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201088
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私は大正7年(1918)の暮に九大医学部を卒えて,すぐに生理学教室の石原誠教授のもとで助手として鯉,鮒,金魚などの遺伝について,お互いのかけ合わせや血清反応で追及することに没頭したが,大正15年の夏に第一内科の金子廉次郎教授のもとにお世話になった.約8年間の空白の後に臨床に移ったので,学生時代に教わった診断学の基礎さえもすっかり忘れ去っており,クレンペレルのコンペンディウムでやり直しにかかり,7〜8歳も若い方たちに教えを請いながらヨチヨチ歩きを始めたのである.
まず糞尿の検査室に入りびたりで,初歩の化学的検査,顕微鏡的検査に熱中した.
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