ひとこと
時間外勤務
屋形 稔
1
,
稲生 富三
2
,
芹田 馨
3
,
中本 潤子
4
1新潟大中検部
2社会保険中京病院検査部
3北海道立衛生学院
4近畿大病院中検
pp.464-465
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201087
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検査室で時間外勤務が必要になるのは,主として臨床科で時間外に救急の診断や処置が必要となって,緊急検査が要求される場合である.時間内の検査が過剰で時間外にわたるものも含まれるが,この場合は検査室の自動化やデータ処理の機械化など運営の合理化を図ることで,時間内勤務またはこれに準じた時間で検体を処理し終わることもできる.今回はこれの通じない時間外の緊急検査のたあの勤務に限って問題点を探ってみたい.
我が国の167の国公私立病院における緊急検査体制を集約(1969年)したところでは,実施していても大部分が本務の延長という形で超勤する程度で,宿直はわずか8,自宅待機(呼び出し)の形が109である.すなわち欧米ではほぼ定着しつつある検査技師の日当直が,我が国ではほとんど行われていない実情である.ただ一般病院は大学病院よりも実施の傾向が高く,その必要性も多いことが示されている.大学病院対象の調査(河野,1963年)では,51施設中完全実施が7校のみであるが,その57%は必要であることを認めながら実施不能としており,壁の厚さがうかがわれる.また体制を実施できない理由としては,人員不足62.5,法規上の問題12.5,設備不備20,技師の意識5%などとなっている.
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