技術講座 一般
一般検査の検体(尿,便,喀痰)の取り扱い方
佐藤 春枝
1
1前:橋赤十字病院検査部
pp.285-287
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201036
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一般検査は小さな診療所から大病院までどこの施設でも実施されている検査である.毎日同じ検査を数多く繰り返していると,その検査を簡単に考えてしまったり,手技がマンネリに陥りやすく,大切な注意点を失念してしまう恐れがある.そこで今回は一般検査の検体として出されたものの取り扱い方(検査法については各項にまかせることにして),特に検体を採り分ける前の注意点,検査後の検体及び使用器具の後始末についてまとめてみたい.
一般検査に限ったことではなく,どんな検査にも言えることであるが,検体が出されたら放置せずに"できるだけ早く検査を実施する"ことが大切である.生体内から採り出された検体は体外に出されたその瞬間から変化を起こし始める.生体内の情報を知るために採取された検体であるから,変化が起こらないうちに検査を実施しなければ正確な情報(体内の状態)を知ることはできない.更にそれ以前の問題として"正しく採取"されていなければ,検査をどんなに正確に実施しても正確な値を得ることはできない.検査法を正しく学ぶと同時に検査の目的もよく知っていて,患者に検査の目的を明確に説明(大病院では看護婦の担当になっているが)できなければいけない.正しく採取するためにはそれに"適した容器"を用意しなければならない.
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