基礎から応用へ
統計学的思考・5
土肥 一郎
1
1中央鉄道病院内科
pp.29-30
発行日 1975年10月1日
Published Date 1975/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200887
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1.Wilcoxon testでN>25の場合
前号の2で説明したmatched pairs testの例題は例数N=10であり,この検定用の数表はN=25までであった.もっと多数例について検定したい時,1つの方法はその多数例からランダムに25例抜き出すことであり,他の1つは多数例について作られている理論を用いて全例を使って検定することである.この多数例が均一な母集団からのものであることが常識的にでも保証されている場合なら,せっかく得られた資料であるから,これを全部利用したほうがよい.以下その方法を説明する.
N>25の場合,順位の和であるTは近似的に正規分布し,その平均値をm,標準偏差をσとすると,従って,で表わされるzは,平均値0,標準偏差1の正規分布をすることになる.
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