基礎から応用へ
統計学的思考・9
土肥 一郎
1
1中央鉄道病院内科
pp.111-112
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200986
- 有料閲覧
- 文献概要
1.一元配置法と二元配置法
前項において述べた15匹のモルモットを使った実験は,L1(皮内),L2(皮下),L3(腹腔内)という注射方法の相違が免疫抗体の産生量に差を生じるかどうかを検定するためのもので,実験結果の一覧表では縦3列,横5行にならんだ数字のうち,縦のものは注射部位という点でそれぞれの列の中での共通性があるが,横のものはたまたま第1行に並んでいても何の共通性もなく,例えば第1列の2番目と3番目の数値を入れ替えてもかまわないものであった.
これに対して,例えば血圧降下剤の効果を調べる目的で,8人の被検者を使って注射前後の血圧を記録し,これを表にしたものは,縦にも横にも,それぞれの中で入れ替えがきかないという意味の一貫性がある.これを二元配置法というが,今回はその二元配置法に繰り返しを入れた場合の分析法を説明する.その前に,前稿で示した計算法のうちで,
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.