Japanese
English
特集 Biopsyの再検討
術中迅速標本と手術—乳腺
Histologic diagnosis of breast lesions by frozen section
小山 博記
1
,
和田 昭
2
Hiroki KOYAMA
1
,
Akira WADA
2
1大阪府立成人病センター外科
2大阪府立成人病センター病理
pp.1397-1402
発行日 1977年11月20日
Published Date 1977/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206842
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はじめに
乳腺は体表に位置するため比較的容易に生検を行なうことができるので,従来より生検は乳癌の重要な診断手段とされてきた.最近ではマンモグラフィー,超音波検査などの補助診断法の進歩により,乳癌の診断率は著しく向上してきたが,それでもなお最終的には組織診断にたよらなければならない場合がしばしばある.この生検施行に際しては,組織片切除後ただちに迅速標本を作製し,乳癌の診断が得られればそのまま根治手術に進む方針が多くの施設で採用されており,迅速組織診断は乳癌の診断上重要な位置を占めている.
またこれは主病巣の良性か悪性かの診断のみならず,癌の進展範囲を術中に適確に把握して,手術方針を決定するのにも利用され,治療上の意義も大きい.たとえば,胸骨旁廓清や胸筋保存式の手術の適応をきめるために,腋窩リンパ節の転移の有無を調べたり,炎症性乳癌の判定をするために,乳房皮膚のリンパ管内癌栓塞の有無を調べたり,あるいは胸筋,胸壁の浸潤状態を調べて切除範囲を決定することができる.
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