技術講座 病理
細胞診検体の取り扱い・1—婦人性器
平田 守男
1
1癌研病院細胞診部
pp.72-74
発行日 1975年5月1日
Published Date 1975/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200792
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検査室に提出される細胞診の検体の種類を大別すると,スライドガラスに直接塗抹固定されて提出されるものと,検体のまま提出されるものの2つに分けられる.前者は婦人性器からの材料や乳腺分泌物などである.検体はその大部分が外来診察室やベッドサイドで,医師により採取塗抹固定が行われて検査室に提出されるので,検査技師が直接行うことはない.後者は喀痰や体腔液などで,これは検体のまま検査室に提出されるので塗抹固定は検査技師が行わなければならない.標本作製技術の巧拙がものをいうわけで,検査技師の腕のみせどころである.それに反して今回のテーマである婦人性器からの標本作製は前述のように医師が行い,検査技師がタッチすることはないのであるが,検査技師としてはその技術も当然習熟していなければならないことである.そして時に応じて医師や看護婦に対して適切なアドバイスを行うなどに努めねばならない.
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