病人と病気と病院
法医学と検査
内藤 道興
1
1東大・法医学
pp.17-20
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200750
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法医学とは一口にいえば"法津上問題となる医学的事項について研究し応用する学問"であり,その対象は生体,死体,物体,現場,書類の5種類に分けることができ,応用の面からは司法上,行政上,立法上に3大別される.生体検査としては傷害,強姦などの事件の他,疾病,年齢,酩酊度の決定,精神鑑定,親子鑑定などがある.死体については外表検査(検屍)と解剖があり,死因,創傷,凶器,自他殺,死後経過時間,毒薬物,疾病などを明らかにする.現場では犯罪の立証に役割を演ずる資料の採取,保存にあたるが,法医学的資料は人体の一部またはそれから由来するあらゆるものが対象となる.木稿では法医学書の中で主として"物体検査"あるいは"証拠材料の検査"などの章で述べられている部分についてその概略を平易に解説したいと思う.
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