ひとこと
科学する心—臨床検査技師の衿持
榊田 博
1
1日本バプテスト病院
pp.10-11
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200609
- 有料閲覧
- 文献概要
小学校の理科の時間に習った実験の一つを憶いだす.ジャガイモをおろし器ですりおろし,布でこして得た汁を煮つめる,可溶性デンプンができた.このデンプンに水を加えてデンプン液とし,ヨード液を滴下し,デンプンのヨウ素反応を観察した.あの時,デンプン液が鮮烈な青藍色の色調を呈したのが忘れられない.今でも眼前に彷彿する.
熱すると退色し,流水下に冷却すれば再び現色する.まるで奇術である.実体を肉眼で確認できないものを,色でとらまえ,そして条件の与え方によって出没させる.退色したり呈色したり,変幻自在である.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.