実習日誌
常に疑問をそして妥協せず
木村 雅英
1
1順大病院中検細菌検査室
pp.32
発行日 1974年8月1日
Published Date 1974/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200531
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検査技師としての日々に,早2年を費やしながらも,とうていなにひとつのことをも熟知するに至らず,一見私が実習生の指導にあたっているようにも見えようが,学びの途上にあることにおいては,今なお私も彼らと全く同じであると信じている.それゆえ検査の合い間に指導しているというよりは,むしろ私が医師,諸先生方より得た知識をゆがめることなく,そしてときとして私の個人的見解,疑問を加えつつ話しているというほうが,私の立場を説明するに,より的確だと思われる.
病院および検査室の業務の進め方,ふんい気に当然影響されることながら,実習生に感じられる検査学習への意欲も千差万別と見受けられるし,(中にはいたであろうか)意欲的でないと思われる人を見るにあたっては,私も実習時代にあまり気乗りのしない実習項目のあったことが事実であるがゆえに,細菌検査室を訪れるすべての実習生に学習を強いることは,確かに細菌検査に従事するに至った立場からのみの私のひとりよがりとも思われる節がある.彼らがすでにスペシャリストを志し,関心事以外の検査分野においては,ただ最低限度の知識と技術のみを要求していることもあろうはずだから.
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