実習日誌
たとえ短い期間でも
安藤 俊悦
1,2,3,4
1北海道立衛生学院臨床検査技師科
2札幌医大病院
3札幌市立病院
4道立衛生研究所
pp.32
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200420
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私たちの学校,衛生学院では実習設備がだいたい整っているので,学内での実習が多く,年に1回臨地実習で地方に行き,血液検査や虫卵検査などをする以外,学外での実習はほとんどといっていいほどありません.いわばかごの中で,大事に大事に育てられたようなもので世間知らずです.知的なことは吸収できても(程度はこの際抜きにして),その他,検査技師としての自覚とか使命感とかいうことは,頭ではなんとなく理解しても,からだで実感として感じるということはありませんでした.休みになると先生が"かわいい子には旅をさせろ"というわけで,希望者には病院でのアルバイトを紹介してくれますが,病院での経験はこれだけですから,10週間の病院実習が私たちにとっては,たとえそれが短いものであっても,どれだけ貴重な体験であるかおわかり願えると思います.
私のクラス(といっても1学年1クラスですが)では,ほとんどの人が(もちろん私も含めて)臨床検査技師とは何か,ということを具体的にはっきりとは知らないで入学してきています.理科系が好きだったからとか,知人に紹介されたので,とかいうような漠然とした理由が主なようです.
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