病人と病気と病院
リハビリテーションと検査
土肥 豊
1
1神奈川県老人福祉事業団七沢理学診療病院
pp.12-15
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200185
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今からおよそ20年も前の話,といっても考えようによってはたった20年とも言えるわけですが,私が初めて大学を出て医局にはいったころには,まだ中央検査室といった名前すらなく,病室や外来の片すみを改造したようなおよそそまつな検査室で,受持ち医がみんなそれぞれ自分の患者の検査物を夜遅くまでかかって自分たちで検査していたものでした.それから4-5年たって中央検査室という耳新しいことばが聞かれはじめ,しだいにまとまった形をとるようになり,検査業務の中央化がようやく軌道にのり出したのは,今からほんの14-5年前くらいからと言ってもいいでしょう.
それから以後の診断・検査技術の進歩のめざましさは目を見張るばかりであり,その進歩につれて各分野はよりいっそう専門高度化し,さらに最近ではコンピューター技術の導入によって,多種類の検査データを同時に解析し,高次の段階で集約することによって複雑多岐にわたる病態生理の解明に役だてようとする段階にまで発展を遂げ,現代ではどの病院に行ってみても臨床検査部が独立した1つの部門として大きなウエートを占めていることは皆さん方もご承知のとおりです.
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