リハビリテーション医のための循環器入門（3）―虚血性心疾患

Cardiology for Rehabilitation Doctor (3): Ischemic. Heart Disease.

　Ⅰ．分類

　虚血性心疾患は従来より，WHOの分類に従い，

　1．労作狭心症

　2．中間型

　3．心筋梗塞（急性，陳旧性）

　4．無痛性虚血性心疾患

　ａ．無症候性

　ｂ．慢性の非特異的な心筋障害

　と分類するのが通例である．この分類では，中間型というのはきわめてその範囲が幅広く，虚血性心疾患のうちで，労作狭心症と心筋梗塞をのぞいたものの全てがこれに含まれる．すなわち，安静時狭心症，夜間狭心症，異型狭心症など，種々の名称で呼ばれる．労作狭心症以外の狭心症をはじめ，中間冠動脈症候群と呼ばれた心筋梗塞にきわめて類似しているが心電図や酵素変化が定型的でないものなどもここの範囲に包含される．

　しかし，このままの分類で中間型といっているものと，中間冠動脈症候群がしばしば混同されることがあるので注意を要する．以下，上記のWHOの分類にそって簡単に解説を加えておくことにする．