今月の表紙
腎細胞癌(嫌色素性腎細胞癌)
高平 雅和
1
,
鈴木 由美
1
,
岸 宏久
1
,
西松 寛明
2
,
手島 伸一
3
1同愛記念病院研究検査科
2同愛記念病院泌尿器科
3湘南鎌倉総合病院病理診断部
pp.1297
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200009
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【症例の概要】
60歳代,男性.健診の腹部超音波検査にて左腎腫瘍を指摘された.左腎上極に膨隆する27×24mmの腫瘍で,被膜形成はみられない.内部エコーは不均一で無エコーの部も認められた.パワードプラ法では血流が腫瘍内に流入していた.CT,血管造影などの画像診断で腎癌が疑われて左腎全摘術を受けた.肉眼的には22×17mmの腎外に膨隆する腫瘍で,割面は充実性,ベージュ色を呈し,周囲との境界は明瞭である.組織学的には,大型立方形から中等大多角形の腫瘍細胞が充実性の胞巣を形成している.細胞質は嫌色素性ないし弱好酸性で,網状の細胞質を呈し,細胞膜は明瞭である.核には皺がみられ,核周囲が淡明である.以上より嫌色素性腎細胞癌と診断された.
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