増刊号 超音波×病理 対比アトラス
3章 甲状腺・副甲状腺
11 大濾胞型乳頭癌―40歳代男性
廣川 満良
1
,
樋口 観世子
2
,
久保田 真理子
2
1隈病院病理診断科
2隈病院臨床検査科
pp.1005-1007
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104431
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症例の概要
40歳代,男性.検診にて甲状腺左葉に結節を触知された.甲状腺機能検査では,遊離サイロキシン(FT4):1.06(0.7~1.6)ng/dL,遊離トリヨードサイロニン(FT3):2.93(1.7~3.7)pg/mL,甲状腺刺激ホルモン(TSH):1.431(0.3~5.0)μIU/mL,サイログロブリン:23.6(0~35)ng/mLであった.超音波検査では,甲状腺左葉に34×23×32mm大の形状整,境界明瞭平滑な結節性病変が認められた.結節内は均質等エコーで,囊胞を思わせる無エコー部が混在していた.乳頭癌にしばしばみられる微細高エコーは観察されなかった.ドプラ法では,結節内部および辺縁の血流シグナルは存在するものの著明な増加はなかった.超音波検査では腺腫様結節あるいは濾胞性腫瘍が疑われたが,穿刺吸引細胞診にて乳頭癌と診断され,甲状腺全摘術が行われた.
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