オピニオン
次世代の臨床検査技師教育に期待する
三村 邦裕
1
1千葉科学大学大学院危機管理学研究科
pp.350-351
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104240
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はじめに
臨床検査技師教育は,1958年から開始された衛生検査技師教育から数えると今年で56年目を迎える1).当初は2年制の専門学校から始まった本教育は,今では大学50校,短期大学5校,専門学校24校,合計79校となり,大学が63%を占めるようになった.この変化に伴って教育内容も大きく変化し,充実したものとなっている.今までの教育は,精密度,真度のある検査結果を迅速に臨床側に報告するためには,どのような技術が必要なのか,そして,いかに知識を高めるかという技術教育が中心に行われてきた.すなわち,過去の知識や技術を記憶するだけの想起型の教育であった.
しかし,それは,近年の工学やIT技術などの急速な発展によって検査の自動化が進み,臨床検査技師の神業的技術は必要ではなくなった.それに替わって,観察力や洞察力,そして分析力などの科学する力が必要となり,検査した結果が適切なのか,それが示す意義は何かを考えることができる豊かな学識が求められるようになった.それに加え,臨床側に,あるいは患者にコンサルテーションできる力も必要となってきている.
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