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臨床に役立つクロスミキシング試験
小宮山 豊
1
1関西医科大学臨床検査医学講座
pp.780-781
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104032
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はじめに
クロスミキシング試験(cross mixing test,混合試験.保険収載名は“凝固因子インヒビター定性”)は各種比率で患者血漿と正常血漿を混合し,凝固時間を測定する.活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time,APTT)やプロトロンビン時間(prothrombin time,PT)をインヒビター〔凝固因子やリン脂質(phospholipids,PL)に対する抗体〕が原因で延長したかをスクリーニングし,臨床支援に役立つ.
本検査にかかわる患者は次の臨床症状を示す.抗体が凝固因子に対するもので凝固時間延長を認める際は,後天性血友病に代表される出血(第Ⅷ因子,第Ⅴ因子など)あるいは無症状(血小板第Ⅴ因子関与で出血なしの可能性)が起こり,抗PL抗体の場合はAPTT延長にもかかわらず血栓・塞栓症が顕在化する1~3).
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