増刊号 この検査データを読めますか?―検査値から病態を探る
Ⅷ 呼吸器疾患
4 KL-6値上昇および肺活量低下,肺拡散能低下をきたした62歳の女性《間質性肺炎,とくに慢性過敏性肺炎》
澤幡 美千瑠
1,2
,
小倉 高志
2
,
杉山 幸比古
1
1自治医科大学呼吸器内科
2神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
pp.1202-1207
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103719
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Ⅰ.症例
62歳の女性.湿性咳嗽,労作時息切れ,発熱を主訴に来院した.
現病歴:3年前に健診の胸部X線写真で異常陰影を指摘されたが,放置していた.9日前から湿性咳嗽,労作時呼吸困難とともに夕方の発熱を認め4月初旬に当院を受診した.胸部X線写真にて右側下肺野優位の浸潤影とすりガラス状陰影を認め,胸部CTにて両側下肺背側優位に牽引性気管支拡張を伴う網状影があり,容積減少を伴っていた.また,気管支血管束周囲に分布する浸潤影,小葉中心性粒状影を認めた(図1).
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