Laboratory Practice 〈生理〉
3D心エコー図を用いた心房中隔欠損孔の描出
渡辺 修久
1
,
谷口 学
2
1岡山大学病院超音波診断センター
2福山循環器病院循環器内科
pp.719-725
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103617
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はじめに
三次元(3D)心エコー図が臨床的に試みられ始めたのは1990年代にさかのぼる.従来の三次元心エコー図は,時相を一致させた二次元(2D)画像を収集し,オフラインにて二次元画像を再構築して三次元化していたため,操作が煩雑であり,非常に多くの時間を要していた.しかし,近年約3,000個の超音波素子を格子状に配列したマトリクスアレイ型プローブや,3D画像をリアルタイムに構築可能とするシステムの開発により,簡便な操作で短時間に3D画像が得られるようになった.
現在,リアルタイム3D心エコー図は,心腔容積の評価や壁運動評価〔同期不全(dyssynchrony)評価を含む〕,弁形態異常の評価など多岐にわたり臨床現場で利用されている.特に,心房中隔欠損症など特異な構造を呈する先天性心疾患においてその形態を理解するうえで有用である.
本稿では,リアルタイム3D心エコー図を用いた心房中隔欠損孔の描出方法とそのポイントについて述べる.
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