技術講座 生理
シリーズ 乳房超音波検査・5
病変の超音波像:腫瘤②浸潤・中間型腫瘤
松元 香緒里
1
1済生会熊本病院中央検査部
pp.389-393
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103523
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新しい知見
1980~1990年代の乳房超音波診断は,良悪性の鑑別(癌か否か)にとどまっており,悪性疾患の代表として硬癌がイメージされていた.しかし,現在では組織型を推定しなければ,さまざまな乳腺疾患に対応できなくなってきた.充実腺管癌,乳頭腺管癌,硬癌の典型像が限局型,中間型,浸潤型ということになる.また,従来は浸潤型・中間型腫瘤といえば悪性を指すイメージであったが,近年は乳腺線維症(糖尿病性乳腺症を含む)や放射状瘢痕など浸潤型腫瘤像の様相を呈する良性疾患も認知されている.線維腺腫が多彩な像を呈するということもわかり,中間型腫瘤を呈する線維腺腫もしばしば経験する.
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