技術講座 血液
有核赤血球
池本 敏行
1
,
田窪 孝行
2
1大阪医科大学附属病院中央検査部
2大阪医科大学臨床検査医学
pp.345-351
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103131
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新しい知見
赤芽球(有核赤血球)の脱核の機序は長い間不明であったが,近年,分子細胞生物学の発展によってその機序が明らかにされつつある.赤芽球系細胞の量的・質的異常については,現在でも形態学的診断が重要な位置付けにあるが,骨髄中の赤芽球の質的異常については表面マーカーの応用が進んでいる.末梢血に出現する赤芽球数の測定については,自動血球分析装置の分析性能が向上し信頼性が高まっている.また,母体血中を流れる胎児有核赤血球を出生前診断の検査材料として利用するための研究が進んでいる.
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