技術講座 血液
ユーグロブリンクロット溶解時間
浦野 哲盟
1
,
柴山 知子
1
,
鈴木 優子
1
1浜松医科大学生理学第2講座
pp.86-91
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103048
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新しい知見
ユーグロブリンクロット溶解時間(euglobulin clot lysis time,ECLT)は,個々の血漿の有する線維素溶解(線溶)活性を包括的に表す古くからの測定法である.主にはプラスミノゲン・アクチベータ・インヒビター1型(plasminogen activator inhibitor-1,PAI-1)と組織型プラスミノゲン・アクチベータ(tissue type plasminogen activator,tPA)のバランスにより決まる線溶活性発現ポテンシャルを示す.炎症や脂質異常に伴う高PAI-1血症時の血栓症リスクの判定という観点からその重要性が再認識されており,近年開発が盛んなPAI-1阻害剤の効果の判定にも有用であると期待されている.
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