増刊号 超音波×病理 対比アトラス
5章 心臓
3 僧帽弁逸脱症―60歳代男性
田中 道雄
1
,
常深 あきさ
1
,
井下 尚子
1
,
川口 悟
2
,
中原 秀樹
2
,
手島 保
3
1東京都立広尾病院検査科
2東京都立広尾病院心臓血管外科
3東京都立広尾病院循環器科
pp.1062-1064
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104449
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60歳代,男性.高血圧の既往.6年前の胸部X線で心拡大あり,心エコーで僧帽弁逸脱症と診断.2年前より呼吸困難感が増悪.1年前の心エコーで,左室拡張期径/収縮期径(LVDd/Ds)66.2mm/39.6mm,駆出率(EF)70%,僧帽弁閉鎖不全(MR)中等度.今回労作時息切れが増悪し(NYHAIII度),手術のため入院.心エコーでは,僧帽弁後尖の中央に逸脱を認め,中等度以上の逆流を認めた.僧帽弁後尖のmiddle scallop(中央の弁葉:後尖は三つの弁葉に分かれている)を菱形切除し,さらに僧帽弁形成術(弁輪縫縮術)を施行.切除弁は浮腫性線維性に肥厚(2.8mm)し,軟らかく,粘液腫様変性(myxomatous degeneration)の所見を呈していた.
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