Laboratory Practice 〈生化学〉
尿中微量アルブミンの測定法
外園 栄作
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門
pp.353-356
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102797
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はじめに
糖尿病性腎症は,糖尿病の3大合併症の一つであり,わが国における透析導入の原疾患の第一位に挙げられている.この腎症は,尿中に微量アルブミンが出現し始め,徐々にその量が増加,10~15年後には,通常の尿試験紙法でも検出される量の蛋白を呈する顕性腎症期を経て,その5~6年後には末期腎不全に陥る場合が多い.そのため顕性腎症期になる前の微量な蛋白(アルブミン)が尿中に出現し始める時期(早期腎症期)をいかに的確に捉え,厳格な血糖のコントロールを開始し,早期治療・経過観察を行うかが,腎症の進行を抑えるうえで重要である.このような観点から,現在,臨床における糖尿病性腎症の早期発見・診断マーカーとして尿中微量アルブミンの測定が行われている(表1).
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