増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
III 一般検査
各論
4 胸水・腹水
保科 ひづる
1
1諏訪中央病院技術部検査科
pp.1042-1046
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102579
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はじめに
胸水や腹水は,炎症や循環障害など多様な病態により出現する.一般検査における鏡検は,細胞数算定やその種類の割合,分類が重要となる.その際,髄液と違い,さまざまな細胞が出現するため,塗抹標本を作製し,ギムザ(Giemsa)系染色の観察が望まれる.一般検査では,なかなか所見から疾患に直接結びつけることはできないが,細胞分類に伴う中皮細胞,血液由来の細胞,また細菌や結晶,異型細胞などを注意深く観察することにより,多くの情報や有用性を得ることができる.今回は確定された疾患から,鏡検におけるそれぞれの特徴的所見,さらにコメント方法を記載する.
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