増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
C 血管エコー法
4. 椎骨・脳底動脈系超音波検査
石川 清子
1
,
田中 理
1
,
菅原 和章
1
,
宮地 美貴子
1
,
中山 愛子
1
,
栗田 竜子
2
1横浜市立脳血管医療センター医療サービス部検査科生理機能検査室
2横浜市立脳血管医療センター診療部神経内科
pp.994-1005
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102208
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はじめに
最近では脳血管障害の診断や病因検索目的に頸動脈超音波検査が一般的に行われている.総頸動脈や内頸動脈超音波検査では血流計測・maxIMT〔内膜中膜複合体厚(intima media thickness,IMT)の最大値〕・プラークやプラークの性状・狭窄・閉塞病変などを評価するが,椎骨動脈(vertebral artery,VA)では血流計測の評価が中心となる.血流計測だけでは得られる情報が少ないのではと思われがちだが,椎骨・脳底動脈系病変では後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery,PICA)前閉塞,PICA後閉塞などの評価や,椎骨動脈起始部病変・鎖骨下動脈(subclavian artery,Subc. A)病変・解離病変なども評価することができる.椎骨動脈超音波検査では第6頸椎横突起はもとより,遠位の第4頸椎横突起や時として第3頸椎横突起までの椎骨動脈が観察可能である(図1).また近位(proximal)へプローブ走査することで鎖骨下動脈から分岐する椎骨動脈も描出可能である.このように血流計測評価を習得することで多くの重要な情報を臨床へ提供することができる.
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