オピニオン
ISO15189認定取得雑感
宇治 義則
1
1富山大学附属病院検査部
pp.788
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102164
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検査室の管理運営には品質管理,コスト管理,リスク管理,知識管理に加え第三者による位置評価(ベンチマーク,bench mark)が重要である.総合的な品質管理による検査室の品質保証には徹底した作業の標準化と文書化,誰が行ってもそのとおりに作業することによる保証,徹底した記録(ロギング,loging),そして,これらのシステマティックな管理,すなわち,PDCA(Plan,Do,Check,Action)サイクルの確立が必要である.しかし,指南書なしにこれらのシステムを構築するのは非常に難しい.2003年に発行されたISO15189「臨床検査室―質と適合能力に対する特定要求事項」は,検査室の品質の保証と管理・運営に関する国際規格であり,検査室管理運営のガイドラインとして非常に優れている.筆者は,2007年4月に富山大学附属病院検査部に赴任後,直ちに本国際規格認定取得のための準備を開始し,2008年7月に認定を取得した.
ISO15189の認定取得には相応な費用と時間が必要となるが,幸い筆者の施設では病院長の理解を得ることができ,赴任早々の4月10日に検査部長の取得宣言(キックオフ,kick off)がなされ,準備を開始した.準備作業のなかで職員の検査業務に対する意識に日々変化がみられ,さまざまな改善からわれわれが目標にしている「高度先進医療を担う大学病院検査部として“あたりまえのことが,あたりまえにできる”」検査部の構築に一歩一歩近づいている.
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