FOCUS
ISO 15189認定維持のポイントと課題
岩崎 澄央
1
1北海道大学病院検査・輸血部
pp.730-732
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530070730
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はじめに
国際規格「ISO 15189(臨床検査室—品質と能力に関する特定要求事項)」は,臨床検査室の技術能力を証明する認定制度であり,国内においては,日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board:JAB)によって2005年に開始された.2025年3月末現在では,認定取得施設は309施設にまで増加し,国際標準検査管理加算の要件に含まれるなど,ISO 15189の認定は臨床検査室にとって重要なものとなっている.
北海道大学病院(以下,当院)では2002年よりISO 15189の認定取得に向けて取り組みを始め,2005年9月に国内で最初のISO 15189認定検査室の1つとなった.当院においては,3年の準備期間を設けてもなお,初回審査では不適合(nonconformity:NC)30件,注記(remarks:RM)26件の指摘を受け,品質マネジメントシステム(quality management system:QMS)の根幹部分の見直しから始まった.その後QMSとして運用することの骨組みを少しずつ構築し,今日までの認定の維持活動につながっている1).
本稿では,2005年の認定取得から20年近くが経過した現在までの当院での活動を振り返り,認定の維持に必要なポイント,そしてこれからの課題について考えたい.

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