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活性酸素を減らす物質8-ニトロ cGMP
澤 智裕
1
,
赤池 孝章
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部微生物学分野
pp.678-679
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102136
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はじめに
過剰な活性酸素の生成によって起こる細胞死,遺伝子損傷などを介した酸化ストレスが,感染,炎症,癌,動脈硬化・糖尿病などの生活習慣病や,アルツハイマー病などの神経変性疾患といった多くの疾患の発症に共通して関与する分子病態として認識されている.活性酸素の生成とその消去が細胞内でどのようにして制御されているのか,そのシグナル伝達経路の解明は,酸化ストレス病態の分子基盤の理解を深め,それら疾患の診断や治療への展開が期待される.本稿では,活性酸素を減らすための新しいシグナル分子としてわれわれがごく最近発見した,8-ニトログアノシン3′,5′-環状ヌクレオチド(以下,8-ニトロcGMP)について紹介する1).
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