特集 ホルモンと生理活性物質
各論
15.その他
4) cAMP, cGMP
三国 雅彦
1
Masahiko MIKUNI
1
1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第3部
pp.268-269
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902251
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生合成・分泌・機能
cyclic adenosine monophosphate (cAMP)はアデニル酸シクラーゼによりATPから産生される.このアデニル酸シクラーゼ活性を促進的に調節するGTP結合調節蛋白質(Gs)と抑制的に調節するGiとが細胞膜の各種ホルモン受容体や神経伝達物質受容体と共役し,cAMP産生を調節している.さらに,cAMP産生はGTP結合調節蛋白質に共役するもう1つの細胞内情報伝達系であるイノシトールリン脂質代謝―カルシウムイオン動員系とのクロストークによっても調節されている.cAMPはホスホジエステラーゼにより分解され5′―AMPとなる.
一方,cyclic guanosine monophosphate (cGMP)は細胞膜や細胞質内に存在するグアニル酸シクラーゼによりGTPから産生される.このグアニル酸シクラーゼは可溶性と膜結合性とに区別されるが,この細胞質内の可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化には,カルシウムイオン存在下でアルギニンのグアニジノ基から産生されるNOの関与が知られている.NOは放出され周囲の細胞に作用して,可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化してcGMPを産生する.
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