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測定法の概要
1 . JSCC常用基準法とトレーサビリティ連鎖
特定健診における健診項目として指定された血清酵素項目はAST(aspartate amintransferase),ALT(alanine aminotransferase),γ-GT(γ-glutamyl transferase)の3項目であり,これらの日常検査法は日本臨床化学会(Japan society of clinical chemistry,JSCC)標準化対応法という.JSCCは,1989年にヒト血清中のAST,ALT活性測定の勧告法を,1994年にγ-GT活性測定の勧告法を公表している.これらの勧告法での測定温度は30℃であるが,日常検査での測定が37℃で行われていることを考慮し,測定温度についての再検討が行われた.その結果,勧告法とまったく同じ測定条件で測定温度のみを37℃とした「JSCC常用基準法」が1994年に提示され,現在の国内における血清酵素活性測定についての基準の方法として主に酵素標準物質の値付けに用いられている1).
測定操作法と標準物質で組み立てた階層構造をトレーサビリティ連鎖という.酵素活性測定のトレーサビリティ連鎖図を図1に示した.図1ではJSCC/JCCLS(Japanese committee for clinical laboratory,日本臨床検査標準協議会)常用基準法が測定法の頂点であり,これを下位に伝達するためにJSCC/JCCLS常用基準法(JSCC/JCCLS自動化法)で値付けられた常用酵素標準物質(Japanese certified enzyme reference material,JCERM)が設定されている.これを用いて試薬メーカーによって設定された検量用ERMによりJSCC標準化対応法となる日常検査法を校正する.最終的に検査室で用いる日常検査法は,図1のなかで設定された試薬メーカーの測定システム(試薬キット・検量用ERM・酵素項目用管理試料)をメーカーの指示に従って用いることで,JSCC/JCCLS常用基準法(JSCC/JCCLS自動化法)にトレーサブルな測定結果を得ることができる2).
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