Laboratory Practice 〈血液●採血の現況と問題点・3〉
採血と末梢神経損傷
高山 真一郎
1
,
杉本 義久
2
,
岡崎 真人
3
1国立成育医療センター整形外科
2流山総合病院整形外科
3慶應義塾大学病院整形外科
pp.865-868
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101827
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はじめに
採血や点滴などによる末梢神経損傷は日常的に頻発するが,その多くは数日から数週間で軽快する.しかしながら時には疼痛・知覚障害などが長期間持続し,後遺症や補償問題などが生じることがある.さらに軽微な損傷をきっかけに,頑固な神経因性疼痛を引き起こす難治例も稀ではない.針刺しによる末梢神経損傷の原因は,注射針による機械的損傷と注入薬剤による化学的損傷とに分けられるが,長期間持続する末梢神経障害では採血や静脈注射が原因となっていることも少なくない1,2).本稿ではその予防について検討し,さらに観血的治療の経験から注射針による末梢神経損傷の病態,治療について考察する.
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