私の一推し免疫染色
メラノサイト系病変の検出にはMART-1/Melan-Aが一番!
泉 美貴
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1東京医科大学病理診断学講座
pp.852-853
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101824
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症 例
症例:34歳,男性.
現病歴:時期は不明だが,右下腿に発赤が生じた.
現症:右下腿の伸側に,6.0×6.0mm大で押すと退色する紅斑がある.自覚症状はない.臨床診断は“紅斑”であった.
組織像:なだらかなドーム状の隆起性病変である.表皮は,表皮突起が菲薄化し軽度に萎縮する以外には著変はない.真皮浅層に周囲との境界のやや不明瞭な結節が存在する(図1).細胞は紡錘形ないし多稜形で,両染性の細胞質を有している.クロマチンは繊細だが,核小体が比較的明瞭で,核異型もかなり強い.細胞は胞巣状ないし,一部は不明瞭ながら腺管を形成する傾向を示す.癌の転移を最も疑い,免疫染色を施行した.
免疫染色:細胞はサイトケラチン(cytokeratin,CK:AE1/AE3)が陰性,S-100蛋白とvimentinが陽性であった.MART-1抗体とHMB-45を追加したところ,前者でびまん性に陽性(図3),後者で弱陽性(図4)であった.
診断名:スピッツ母斑(Spitz's nevus),真皮内型.
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