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梅毒の血清検査
亀子 光明
1
1長野市民病院診療技術部
pp.798-800
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101804
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[梅毒検査が変わった?]
梅毒検査に用いられる古典的免疫血清検査は何ですかと,若手の技師諸君に質問したら,果たして何と答えるであろうか.団塊の世代の技師の面々は,間違いなく脂質抗原試験(serological test for syphilis,STS)として,ガラス板法,緒方法,凝集法を,そして梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum,TP)抗原を用いたTP抗原試験としてTPHA(TP hemagglutination test,TP赤血球凝集反応)を答えることであろう.梅毒検査が華やかなりしころの梅毒検査法指針では,STSとTP抗原試験との組み合わせにより,表に示す検査結果から1),感染の状況を判断していた.
しかし,ここ十数年で梅毒検査は大きく様変わりをしており,近年では,イムノクロマト法(immunochromatography,IC)を利用したTP抗体測定試薬が開発され,術前のスクリーニング検査や緊急時感染症検査として用いられ,また,自動分析装置用試薬として2),ラテックス凝集免疫法(latex agglutination immunoassay,LAIA)や化学発光酵素免疫法(chemiluminescent enzyme immunoassay,CLEIA)を原理とした測定法が開発され,感染症の日常検査ではB型肝炎ウイルス抗原,C型肝炎ウイルス抗体などの測定項目と同時に測定されることが多い.
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