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あとがき
永江 学
pp.624
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101759
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ある研究で社会と絆を持たない人は,絆を持っている人に比べて死亡率が2~3倍高いとの報告があります.また,免疫システムと社会的な絆の研究では,社会的つながりが肉体や精神面の両方に作用していることがわかってきております.社会とのつながりが三つ以下の人は六つ以上の人に比べて風邪を引くリスクが4倍高いとのことです.
医学の最終目的は予防医学ではないかと考えておりますが,診断・治療によって平均寿命を上げているのが現実です.東洋医学では「未病」という概念があり,予防医学に通じるものだと思います.西洋医学でもここ数年,政府による健康診断の推進が行われ予防医学的な考えかたが広まってきております.この分野での活躍が最も期待されるのが臨床検査ではないでしょうか.病を治療することも大事ですが,それ以上に病気にならないような予防診断が行えれば,今後の高齢化社会において高齢者のQOLを高めることにもなるかと思います.
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