--------------------
あとがき
比企 直樹
pp.504
発行日 2025年4月20日
Published Date 2025/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800040504
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
外科術後における栄養の重要性は以前から認識されていましたが,具体的に何をどのように改善すれば,臨床上どのようなメリットをもたらすのかについては曖昧な点が多く残されていました.近年,栄養による治療効果をより明確に示す概念として「栄養治療」が提唱され,この治療行為は「Medical Nutrition Therapy(MNT)」と呼ばれるようになりました.
MNTには,経口栄養補助食品,経腸栄養,非経口栄養のみならず,社会的活動,カウンセリング,栄養評価など,栄養に関連する多岐にわたる治療行為が含まれます.従来は経腸栄養や非経口栄養が「強制栄養」と呼ばれていましたが,欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN)の定義に基づき,これらもMNTに包含される用語へと置き換えることが提案されています(Cederholm, et al:Clinical Nutrition 36:49-64, 2017).外科分野においても,こうした知識を臨床に活かし,患者ごとに最適な栄養サポートを提供することが求められています.また,栄養治療は低栄養の治療だけでなく,術後の生活の質(QOL)向上にも寄与する重要な手段です.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.