病気のはなし
プリオン病
坪井 義夫
1
,
山田 達夫
1
1福岡大学医学部神経内科学教室
pp.426-430
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101704
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サマリー
ヒトにおけるプリオン病は,原因不明の孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease,CJD),変異型CJDや汚染硬膜移植後に発症する医原性CJDを含む感染性CJD,プリオン蛋白遺伝子に変異を有する家族性あるいは遺伝性CJDに分類される.頻度の高い孤発性のCJDは「神経変性疾患」と考えられるが,脳のホモジュネートを動物が摂取すると感染が成立するため,伝播性海綿状脳症とも呼ばれる.年間発生率は100万人に約1人で,稀な疾患ではあるが,いずれの型のプリオン病においても,いったん発症すると進行性で致死的な神経変性疾患である.病理的には脳に不溶性の異常型プリオン蛋白が沈着する特徴がある.これまでに対症療法以外に有効な治療法は全く確立されていない.
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