私の一推し免疫染色
GFAP免疫染色
木村 徳宏
1
,
向井 萬起男
2
,
飯田 俊彦
3
1慶應義塾大学医学部病理学教室
2慶應義塾大学病院病理診断部
3済生会宇都宮病院産婦人科
pp.380-381
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101686
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はじめに
GFAP(glial fibrillary acidic protein,グリア線維酸性蛋白質)は中枢神経系の星状膠細胞などに含まれている中間径フィラメントの構成分子で,分子量約50kDaの蛋白質である.中枢神経系では星状膠細胞のほか上衣細胞,末梢神経系ではシュワン細胞(Schwann cell)などに発現が認められる.腫瘍では神経膠腫などに陽性となる.また唾液腺の多形腺腫では腫瘍性筋上皮細胞にGFAPが染まることが知られており,これは筋上皮細胞の異分化と解釈されている.病理診断の現場では,抗GFAP抗体を用いた免疫染色は主に脳腫瘍の鑑別の際のグリア系マーカーとして使用されることが多いと思われる.ここでは,子宮内膜に生じた病変の診断にGFAP免疫染色が役立った興味深い1例を紹介する.
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