増刊号 包括医療と臨床検査
第1章 総論―包括医療とは
3.検査部での対応
3)POCT
松尾 収二
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.931-934
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101546
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はじめに
臨床検査の発達は,新米の医師でもベテラン医師でも同じように質の高い検査データを大量かつ迅速に活用できることを可能とし,診療レベルの向上に寄与した.一方で検査をすれば儲かるという時代を経験し,われわれはそれに甘んじてきた.しかし,医療費抑制の波が押し寄せ,今,検査の真価が問われる時代となった.このようななかでベッドサイドや診察の場での検査,POCT(point-of-care testing)が再び注目されるようになってきた.POCTは,血液ガス,電解質,尿検査,血糖検査などを中心に普及しているが,今後さらに拡大し検査の在りかたを変えるであろう1~4).本稿では包括医療の流れのなかで,POCTが果たす役割,そして今後の検査の在りかたを考えたい.
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