増刊号 包括医療と臨床検査
第1章 総論―包括医療とは
3.検査部での対応
2)特殊検査の対応のしかた―免疫検査を中心に基本的な考えかた,院内検査と外注への振り分けの基準
金光 房江
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1財団法人倉敷中央病院臨床検査科
pp.924-930
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101545
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はじめに
2003年4月より,82の特定機能病院(大学病院,国立がんセンター,国立循環器病センター)のうちの一般病棟の入院医療において,包括評価の診療報酬点数(1日当たり)が適用される包括医療がスタートした.実際にすべての医療機関が揃ったのは7月1日だが,これによって実施以後の入院患者様の90%程度が包括評価の対象となった.ここで包括評価となるのが入院基本料,検査,画像診断,投薬,注射,1,000点未満の処置であり,手術,麻酔,放射線治療,指導管理,1,000点以上の処置,リハビリテーション,内視鏡検査などは出来高評価だ1).臨床検査はこの包括医療によって検査点数はもちろんのこと,検体管理加算,も包括化の中に入ってしまった.検査部門はそれでなくても近年の検査点数のまるめや包括化で肩身が狭い思いをしているが,消費部門へと転落したことによりコスト管理が最重要課題となった.このような状況のなかで,まったく分が悪い特殊検査について,検査室はどのように対応すればよいのであろうか.免疫検査を中心に基本的な考えかた,院内検査と外注への振り分けの基準について考えてみたい.
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